
今回はArt History:書くための紙の発展(活版印刷前・ヨーロッパ)です。
パピルス(Papyrus)
ナイル川沿岸に自生する草。古代エジプトではそれから紙を作ったので、paper の語源となった。
ギリシア、ローマを経てヨーロッパ中世まで使われたが、ヘレニズム時代に現れた羊皮紙に次第に取って代わられるようになる。
ルネサンス期以降は東方から伝わった製紙法が普及する。
古代エジプトでは、前3000年頃からパピルスの繊維を利用して紙を作ることが始まった。後のローマ時代の博物学者プリニウスの『博物誌』にはその作り方が説明されている。
それによれば、まずパピルスの茎を針で裂いて細長い薄片にし、それを水で濡らした板の上に縦横に並べて重ね、圧縮して水分を抜き、さらに1枚ごと天日で干し、最後の仕上げに象牙や貝殻でこすってすべすべにする。
こうして作られるパピルスには、エジプトで広く用いられ、その中で墓にミイラとともに納められる死者の書に用いられ、神聖文字(ヒエログリフ)が書き記された。エジプトのパピルス技術はその後もギリシア世界に伝えられ、ギリシアではパピュロスといい、プラトンなどの多数の著作もそれに記され、巻物として残された
Palimpsest (パリンプセスト)
紙が普及する以前は、羊皮紙(Parchment)が筆記具として使われていた。
動物の皮から作られた羊皮紙は丈夫で長持ちするが、作るのが難しく、手に入れるには高価である。
書記が文章を書く必要があれば、それほど重要でない文章を見つけ、古い文章を削るか洗い流すかして、その上に新しい文章を書くだけだった。これをパリンプセストと呼ぶ。
パリンプセストとは何か? | St. Catherine's Monastery
最も有名なパリンプセストの一つが、古代ギリシャの数学者アルキメデスの著作が記録された写本です。この文書には、アルキメデスの失われた論文が含まれており、特に無限小解析の概念が記されていました。
#chatGPTより
スクリプトリウム(Scriptorium)
古代における書籍は巻物が主流で、パピルスが使用されていました。塩野七生氏によれば、パピルスを切断して現代の書籍の形を考案したのはユリウス・カエサルであったそうです。しかし、「重々しい振舞」を好むローマ人たちにはこの書籍の形は定着せず、中世になって綴じの形の書籍が主流となります。
素材も、植物性のパピルスから動物の皮を原料とする羊皮紙が使用されるようになりました。中国からアラブを経由して、紙の本が普及するのは12世紀まで待たなくてはなりません。
中世の書籍が非常に高価で一部の富裕層のみが所有できる奢侈品であったのは、
羊皮紙が高価であったこと、1字1字を書き写すその手間ゆえでした。
暗黒のという形容詞がつく中世は人々の識字率が低かったため、
こうした写本のほとんどは読み書きができる修道院の僧たちの手によって作られていました。
歴史学者のアレッサンドロ・バルベーロによれば、当時の僧たちの読書欲を満たすにはあまりに書籍の数が少なく、ゆえに彼らの記憶力は現代のわれわれの想像が及ばないほど高かったといわれています。
修道院の多くには、スクリプトリウム(Scriptorium)と呼ばれた写字室が存在していました。
この写字室は、修道院内でも最も窓が多く採光性の高い場所に位置していました。
写字を得手とする僧たちはこの部屋にこもり、1日平均10~12ページを書き写していたそうです。
もちろん、手もとが暗くなり夕暮れ後は写字の仕事はできなくなります。そのため、日中の作業が中断しないよう、写字に従事する僧たちは昼間の祈祷ミサへの参加も免除されていたほどでした。
中世ヨーロッパの書籍は彼らの手から生まれた!写字生たちの姿を追う | 自費出版の幻冬舎ルネッサンス - 自費出版の幻冬舎ルネッサンス
紙(paper)
紙の製造法の起源は中国であり、後漢の蔡倫が改良したとされる。
唐の時代に普及し、8世紀ごろイスラーム圏を経て西方に伝播し、パピルスや羊皮紙に代わって使われるようになり、ヨーロッパでルネサンス時代に大量につくられるようになった。
15世紀の活版印刷の実用化とともに、人類文化の普遍的な発展に寄与した。
https://www.y-history.net/appendix/wh0203-123_1.html
重要(そうな)英単語
- Palimpsest (パリンプセスト)
- Erased text (消されたテキスト)
- Archimedes Palimpsest (アルキメデスのパリンプセスト)
- Papyrus (パピルス)
- Cyperus papyrus (パピルス草)
- Reed (葦)
- Ancient manuscripts (古代写本)
- Hieroglyphs (ヒエログリフ)